昨日は、自宅兼サロン用店舗のお客様の契約がありました。
こちらのお客様は4年ほど前に美容系のサロンを開業される時に、物件探しや開業のサポートをさせて頂いた若い女性の経営者の方です。
開業から4年で順調に業績を伸ばされていたようですが、コロナの影響でこの春先はだいぶご苦労をされたようです。
しかし、その苦境からも何とか回復され、それを機会に、サロンのお得意様からのご要望が多かった地域への移転を決意され、
さらに、その機会に同時にご自宅とサロン店舗を同じ場所に集約することに決断されました。
そこで、以前もお手伝いした私に、自宅とサロン利用の併用が可能な物件探しの依頼が入りました。
私はこれまで何度も、自宅兼サロンや、自宅兼事務所・店舗としての物件探しのお手伝いをした経験がありますが、
特に、自宅兼サロンや店舗となると、物件の管理会社やオーナーからは断られることが多く、物件探しではとても苦労した経験があります。
私の会社は、オーナーから物件を預かって、入居者募集や物件の管理を行うことも多いので、逆の立場になってみるとその理由はよく分かります。
やはり一番大きな理由は、次の2つではないかと思います。
一つは、店舗の顧客や事務所の来客といった、不特定多数の人が建物内に訪れることによって、建物内の住環境が乱れるのではないか、といった懸念や、それによって他の入居者の不満を高めることになのではないかと、いった不安があります。
もう一つは、事務所ならまだ問題ないのかもしれませんが、特に店舗としての利用だと、内装を大きく変更されてしまうかもしれない、といったが懸念があります。
以上より、自宅兼事務所やサロン、店舗として物件を探す場合には、そのような物件オーナーや管理会社の不安や懸念を払拭するようなアプローチで物件探しをしていく必要があります。
例えば、
- 開業してからは、実際にどのような顧客や訪問者が来るのか?その頻度は?予約制なのか?
- どのように営業活動をするのか?
- 営業時間は何時から何時までなのか?
- 内装や設備はどのような状態で使うのか?工事はするのか?するのであれば原状回復はきちんとやれるのか?
- 看板やサインはどうするのか?
- 自転車や車で訪問する人はいるのか?
など、先方が感じている懸念事項に対して、できるだけ具体的に回答する、という心遣いが大切だと思います。
オーナーサイドが一番嫌うことは、最初は想定していなかったことを、入居してからやられてしまい、挙げ句の果てに既存の入居者からクレームが来てしまった、ということです。
日本の普通借家契約は、非常に入居者の権利が保護されている契約形態になります。定期借家契約ならまだしも、普通借家契約の場合は、オーナーサイドも入居審査は慎重にならざるを得ない、ということも念頭に入れて、物件探しをしていくことが大きなポイントではないだしょうか。
最後にもう一つポイントをあげるとすれば、
やはり何でもそうですが、人間関係のあるところから攻めていくと、言いにくいお願いも通りやすくなるというのは現実だと思います。
例えば、私が昨日契約のお手伝いをした物件では、その物件の管理会社の社長さんと私がよく知っている間柄だったということも、スムーズに事が運んだ一つの要因だったのかもしれません。
物件のオーナーや管理会社の立場に立ってみると、事業用の利用という事で多少の心配はあるけれども、既存のお客様や、よく知っている人、またはよく知っている人の紹介する人であれば、変な使い方やトラブルが起こる可能性も少ないだろう、という気持ちになるのではないでしょうか。
何はともあれ、昨日契約されたお客様の、更なる商売繁盛と幸せを心の底から祈っております!