先日、ポスト・コロナ時代のオフィスについて考えるこんな記事をネットで読みました。
その記事の中には、欧米におけるコロナ以前からある、自然豊かな環境の自宅近くのオフィスで働く様子が紹介されていました。
正直、日本ではまだまだ数少ない光景ですが、
昨今、時折ニュースで、先進的な考えのIT企業などが、周辺を山や川に囲まれた地方の田舎に移転して、
豊かな環境の中で深呼吸をしながら仕事をしているような映像を見かけることがあります。
ところで、私は、会社を辞めて起業した当初の、今から10年以上前になりますが、
結果的に自分のオフィスづくりにもつながりましたが、郊外のニュータウンといういわゆる住宅地という立地に、シェアオフィスをプロデュースしました。
その時のコンセプトは(結果的には施設が開業してからの後付けではありましたが)、
『自宅の側で働きませんか❓』
『通勤地獄、解消❗️』
といぅのでした。
恐らく、当時、日本で初の郊外型立地のシェアオフィスだったと思います。
このシェアオフィスは、ある知り合いのビルオーナーさんからの依頼で、
一棟貸ししていたテナントの退去に伴い、空室対策として検討した上で構想を練ったものでした。
しかし、建物や緑の多い周辺環境は素晴らしいのですが、
建物の前の道路には車は多いが、昼間は歩いている人が少ない。
果たしてこの立地でシェアオフィスやレンタルオフィス、貸し会議室としてやっていけるのだろうか?
その当時、シェアオフィスは東京や横浜などの中心地にしかないし、住宅地にニーズがあるのだろうか?
と内心大きな不安もありました。
しかし、蓋を開けてみると、
それまで東京郊外のニュータウンから、わざわざ交通費を掛けて満員電車に乗って体力を消耗しながら都心のオフィスや取引先で仕事をしてた人が、自宅のそばに仕事ができる場所があればその分時間にゆとりを持って仕事ができる、とか
自宅でも仕事ができる職種の様々な専門家の方々が、子供や家族がいる自宅では仕事がしにくかったのでこういう場所があると助かる、
など、昨今のウィズ・コロナの状況下におけるニーズとほとんど同じようなニーズがあると言うことに、やってみて初めて気付かされものでした。
このような体験から、オフィスや働き方の変化は、実はコロナ以前から潜在需要はしっかりあって、
コロナによって、その隠れていたニーズが一気に表に吹き出してきた、という感じなのではないかと思っています。
今思えば、私個人も、会社員時代には、やりたくてもやれない、むしろ、言い出すこともしにくい環境であったのではないかと思います。
恐らく、コロナ禍以降に急に進展してきたテレワークや在宅ワークも、全く同じだと思います。
コロナはきっかけだったのかもしれませんね。
先の記事に出ていたような動きが、もっもっと日本でも出てくれば、日本人の働く環境も大きく変化するでしょうね。
個人的には、
通勤地獄から脱出し、家の側で働く
という、昔ながららの
『食住近接』
の環境を日本において再構築することができれば、
子育てや介護、年金、空き家などの様々な現代日本が抱える社会問題を一層することができるのではないか、と内心本気で信じています。