賃貸トラブル回避の小さなヒント9(夜逃げ~その1)

本日も昨日に引き続き
昨年12月に参加した賃貸管理セミナーで学んだトラブル回避の小さなヒントです。

家主専属の代理人として数多く賃貸トラブルを解決してこられたベテラン法律家の先生いわく、

「コロナ禍が続くこれからは夜逃げが増える可能性がある!」

と警鐘を鳴らしていらっしゃいました。

正直、そのようなことが起こらないよう、公的機関等による生活困窮者に対する手厚い支援と、コロナ禍の早期終息を強く願うばかりですが、

講師の先生からは、家主や管理会社向けに、現実的な話を沢山して頂きましたので、幾つか共有させて頂きます。

入居者の夜逃げが発生した場合、発覚した時点は、

  • 賃貸借契約はまだ終了していない
  • 入居者による物件の占有がまだ続いていて、明渡しを受けていない

という状態であることを認識することが重要とのこと。

つまり、この状態では、

例え物件の所有者である家主といえども、勝手に中に入ることすらできず、

仮に無断で中に入ってしまうと、住居不法侵入になってしまう可能性があります。

例外としては、

  • 安否確認の警察官
  • 明渡し判決後の執行官

のどちらかだけとのこと。

また、法的手続きをとらずに、独断で鍵を交換したり、残置物を撤去・処分したりしてしまう行為は、自力救済として法律で禁止されています。

さて、この状態の解決策ですが、

やはり、解決の王道は、弁護士等の法律家に依頼して、明渡しの判決を取ること、とのこと。

連帯保証人がいるケースにおいては、連帯保証人に解約手続きをお願いしてしまいたくなりますが、あくまでも「賃貸借契約」の当事者は貸主と入居者であり、

連帯保証人は、貸主との間の「連帯保証契約」の当事者であはあるが、「賃貸借契約」の当事者ではありません。

ただし、現実的な話として、

身内の親族である連帯保証人に限っては、先方から

「全責任を取るので解約させて下さい。」

と言ってきた場合には、

「私が全責任を取ります。大家さんには一切迷惑をかけません。」

との一筆を書面で必ず取った上で、手続きを進めるケースもある、とのことでした。

昨今は、連帯保証人ではなく、家賃保証会社を利用する契約が多くなってきましたが、やはり昔ながらの連帯保証人の良さもあるのではないかと改めて思いました。

明日に続きます。