賃貸トラブル回避の小さなヒント6(滞納する入居者には2種類ある)

本日も昨日に引き続き
昨年12月に参加した賃貸管理セミナーで学んだトラブル回避のヒントです。

コロナ危機の長期化で、今後確実に増えてくることが予想される家賃滞納トラブルについて、講師の先生から2つの指摘がありました。

1つは、家賃の回収や督促についてです。

こちらについては、非弁行為など違法とならないよう注意してくださいとのことでした。

もう1つは、滞納した入居者との接し方についてです。

本日はこちらについてもう少しお伝えします。

滞納する入居者は、次の2つに分類できるとのこと。

  1. 「払いたくない人」又は「ルーズな人」
  2. 払いたくても「払えない人」

まず、1のような「払いたくない人」又は「ルーズな人」については、程度と時期に応じて、きちんとした手続きを取っていく必要があることは言うまでもありませんが、

2の払いたくても「払えない人」は、これから確実に増えてくることが予想されていて、家主や我々管理会社にとって直面している大きな問題だと思います。

実際に滞納が発生した際に、「払ってください」と言っても「払えない」わけです。

賃貸トラブル解決専門の法律家の先生いわく、

法的手続きに至る手前に、家主や管理会社としては、

「どうして払えなくなってしまったのか?」

をきいていき、

その上でアドバイスをし、

一緒になって改善方法を考えてあげることが、

滞納トラブルの解決にとって重要なポイントであると、ご自分の経験を踏まえて念押しされていました。

この指摘は一見、当たり前のことを言っているようにも聞こえますが、私は先生のこの言葉がとても腑に落ち、本当にその通りだなと思いました。

昨今、他の業界同様、様々な業務の専門化や外注化が進んでいますが、

顧客である入居者にとっての最大の困り事でもある滞納の発生時に、まずは入居者にとって一番身近な立ち位置にいる我々管理会社の担当者が入居者に寄り添い、ともに解決をしていくという姿勢を示することは、

滞納の真の原因と、その後の解決の可能性や道筋を明確にすることにつながり、

トラブルの早期解決のためには最も大切なポイントになってくると思います。

特に、コロナ危機を契機とした今後の経済環境の長期低迷懸念だけでなく、少子高齢化による賃貸需要の鈍化や、物件供給過多による物件選別の加速など、

今後は、賃貸管理という側面だけでなく、営業面においても、より一層、顧客である入居者に寄り添う姿勢が求められてくるものと思っています。